おなかの痛みや胃もたれ、胸やけ、食欲低下などの症状がある方は、年齢に関わらず一度は胃カメラの検査を受けることをおすすめします。これらの症状は、食道や胃などに病気が潜んでいるサインかもしれません。また、症状がない方でも、40歳頃からがんの発症率が増加するため、定期的な検査をおすすめします。検査により病気を早期発見し、体に負担の少ない治療を行うことが可能です。
そもそも胃カメラって?
口または鼻から細いチューブ状の機器を挿入し、体内を観察します。のどから食道、胃、そして十二指腸までを確認することが可能です。異常が見つかった場合は、その部分を詳しく観察し、表面の細胞や組織を採取できます。採取した組織は、顕微鏡を用いた組織検査を行い、病気の有無を診断するための重要な手がかりとなります。
胃カメラで見つかる主な病気
- 胃がん
- 食道がん
- ピロリ菌感染、慢性胃炎
- 逆流性食道炎
- バレット食道
- 胃、十二指腸潰瘍
- 胃ポリープ
- アニサキス
- 十二指腸がん
- 咽頭がん、喉頭がん
病気の早期発見や胃がん死亡率の減少
1,600万人を対象とした研究では、胃カメラ検診を受けた人の死亡率が受けていない人に比べて半分に減少しました。また、検診を1回受けた人は40%、2回で70%、3回以上で80%の死亡率低下が見られ、定期的な検査が推奨されます。さらに、胃がんの90%以上はピロリ菌感染が原因であり、除菌治療により発症リスクが30~40%減少しますが 2)、除菌後も定期的な検査が重要です。
1) Jun JK et al. Gastroenterology 2017
2) 伊藤公訓ら. 日本消化器内視鏡誌 2018
「バリウム検査」との違いとは?
胃や食道を調べる検査として、胃カメラのほかに「バリウム検査」があります。これは、バリウムという造影剤を飲み、さまざまな体勢を取りながらレントゲン写真を撮影する方法です。
バリウム検査は検査精度が低く、異常が見つかると最終的に胃カメラを受ける必要があるため、二度手間になることがあります。
より精度が高く、小さながんも見逃さないためには、胃カメラ検査がおすすめです。
口から(経口)と鼻から(経鼻)で
どう違うの?
口からの場合(経口内視鏡)
検査前に、のどの奥を麻酔でしびれさせた後、口からカメラを挿入します。カメラが舌の付け根付近に触れると、「オエッ」と吐き気を感じることがあります。当院では、この反射を抑えるために、直径約5mmの超細径カメラを使用しています。反射が起こりやすい方には、鼻からのカメラや、眠ったままで検査を行う方法をおすすめしています。
鼻からの場合(経鼻内視鏡)
検査前に、鼻の中をしびれさせるため、点鼻薬やゼリー状の麻酔を使用します。その後、直径約5mmの超細径カメラを鼻から挿入します。舌の付け根付近には触れないため、口からの検査に比べて「オエッ」という反射は起こりにくいです。ただし、鼻の中が狭い方は痛みや違和感を感じたり、場合によってはカメラが通らないこともあります。その際は、口からの方法に切り替えて検査を行います。
- 鼻の麻酔がいらない
- 鼻の中が狭くてもできる
- 検査前の麻酔が比較的短時間で終わる
- 人によって嘔吐反射がある
- 検査中、喉に詰まった感じがある
鼻からのカメラが苦手な方や
眠ったまましたい方におすすめ!
- 嘔吐反射が出にくい
- 眠らなくても苦痛が少ない
- 検査中も会話が可能
- 鼻の中が狭い方は、痛みや血が出ることがある
- 鼻の中が非常に狭い場合は、口からに変更することがある
嘔吐反射が強い方や
眠らずに検査を受けたい方におすすめ!
麻酔ってできる?
検査時間はどれくらい?
麻酔の使用は、ご希望に応じてお選びいただけます。
眠ったまま検査できる?
※血圧が下がったり、呼吸が浅くなることがあるため、心電図モニターを装着しながら検査を行います。
※検査後はリカバリールームで30〜60分程度安静にしていただきます。
当日の検査も可能です!
当日のご連絡でも検査が可能です(下記条件に該当する方のみ)。また、当院では24時間対応のWeb予約システムを導入しており、患者さんのご都合にあわせていつでも簡単に予約が可能です。さらに、平日に検査を受けるのが難しい方のために、土曜日も検査を実施していますので、ぜひご利用ください。
(水やお茶など透明な水分の摂取はOK)
※詳しくはお電話にてご相談ください。
※場合によっては当日の受付ができない場合がございます。ご了承ください。
全例内視鏡専門医による
検査を行います!
胃がんや食道がんは、早期に発見することで体への治療負担が大幅に軽減されることがわかっています。しかし、早期発見と正確な診断には、検査を行う医師の技術と経験が非常に重要です。専門医と非専門医による検査では、発見率や診断精度に差が生じることがあります。当院では、大学病院などで15,000例以上の検査・治療実績を持つ医師が、丁寧に検査を行っています。
ご予約はWebにて受け付けております。当日検査ご希望の方は必ず事前にお電話にてご連絡ください。場合によっては当日検査ができない場合もございます。ご了承ください。
Tel:0942-54-0600
検査の流れ
※06,08は麻酔の方のみ対象です。
当日ご希望の場合は、電話でご連絡ください。
※1 血液サラサラの薬や血圧の薬は内服してもらうのが一般的です。ご不明な場合はお問い合わせください。
費用について
保険適用(1割負担) |
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胃カメラのみ
約1,500円
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胃カメラ+ピロリ検査
約2,000円
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胃カメラ+組織検査
約3,000円
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保険適用(3割負担) |
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胃カメラのみ
約4,500円
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胃カメラ+ピロリ検査
約6,000円
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胃カメラ+組織検査
約9,000円
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※保険診療のため、自費診療(人間ドック)を除いてどの医療機関で検査を受けても同様の費用となります。ただし使用する薬剤等によっては費用が一部変動することがあります。
※金額は検査代のみの概算となります。初診料・再診料・管理料等は含まれておりません。
よくあるご質問
基本的には予約制となっています。24時間Web予約のほか、クリニックにご来院いただいてからの予約も可能です。検査枠に空きがあれば当日の検査もできますが、来院前にお電話で確認をお願いします。
Tel:0942-54-0600
初めて胃カメラを受ける方には、眠った状態での「口からの検査」をおすすめしています。眠くなる麻酔(鎮静剤)を希望されない場合は、個人差がありますが、一般的に鼻からの検査のほうが楽に感じる方が多いです。
確かに一昔前のカメラはそのような問題がありましたが、当院では最新のカメラを使用しており、細いままでも画質や明るさが飛躍的に向上しています。口からの太いカメラと同等の性能で、より楽に検査を受けられますのでご安心ください。
- 血圧の薬は検査の2時間前に少量の水で服用してください。
- 血液サラサラの薬(抗血小板剤や抗凝固剤)は通常中止不要ですが、2種類以上服用している場合、組織検査ができないことがあります。
- 糖尿病の薬やインスリンは中止していただきます。
- 抗不整脈薬などの心臓の薬や抗てんかん薬、喘息の薬、ステロイドなどは中止すると病状が悪化する恐れがあるため、検査の2時間前までに服用を継続してください。
検査自体は7~8分程度です。麻酔を使用した場合は、検査後に30~60分程度リカバリールームで安静にしていただきます。
検査後、約1時間で飲食が可能です。まずは少量の水を飲んで問題がなければ、通常の食事をしていただけます。
眠くなる麻酔(鎮静剤)を使用しなかった場合は、すぐに運転できますが、麻酔を使用した場合は、当日の運転は危険ですのでお控えください。
はい、可能です。
大学病院で多くの精密検査を行ってきた実績がありますので、胃がんやピロリ菌感染の有無などを詳しく調べることができます。
胃がんのリスクによって異なりますが、早期発見を目的とする場合、2年に1回の検査をおすすめしています。胃がんになったことがある方や、ピロリ菌に感染していた方は、1年に1回の検査を推奨しています。